東京都在住、20代、男。
これは数年前、私が北海道のとある旅館に友人と宿泊した時の不思議体験です。
その日、友人と私はレンタカーを借りて北海道某所●●湖畔にある旅館に向かっていました。
車内では大音量で音楽をかけ私も友人も大声で歌いゴキゲンでした。
一時間程すると目の前に大きな湖が見えてきました。
太陽の光がキラキラと反射して綺麗でした。
そのまま道沿いをしばらく走り傍にそれると急勾配の道を下りました。
下りた先に旅館が見えてきました。古い旅館でした。駐車場には他に車はありませんでした。
友人と私は途中スーパーで買い込んできた酒やつまみをリュックサックの中に隠してフロントに向かいました。
フロントには誰もおらず「すみません」と声をかけると中年の男性スタッフが出てきました。
「予約していた●●です。」と伝えると簡単に館内についての説明をしてくれた。
「食事は18時半からです。そして…」一瞬男性スタッフは無言になりました。
「?」と思いました。
「そしてキーはこちらです。●号室です。突き当たりの階段を登って左側です。」
男性スタッフからキーを受け取り部屋に向かいました。
部屋の扉を開け部屋の中を見ました。
かなり年期の入った部屋でしたが清潔でした。
カーテンを開けると太陽の光が差し込み目の前には湖が広がっていました。
「すげえ…」
友人と私は早速リュックの中からビールを取り出して乾杯しました。
広縁の椅子に座ってしばらく下らない話をしていました。
友人が「テレビでも見ようぜ」と言ってリモコンを探し出しました。
その時です。なんと勝手にテレビが着きました。友人と私は目を見合わせました。
「何で勝手に着いたん?」
「わかんねえ」
恐らく隣の宿泊客がリモコン操作したのが反応したんだろう。
という結論に達しましたが、
(あれ?駐車場に他に車無かったよな…まあいっか)私はそう思い気にしない事にしました。
しばらくテレビを見ていると友人が「そろそろひとっ風呂行こうぜ」と言いました。
タオルを持って部屋を出ようとしたら、なんと扉が勝手にガチャッ、ギ〜…と音を立てて開いたのです。
友人と私は固まりました。
友人は何も言わず鍵をしめました。露天風呂からは湖が見えました。友人と私は無言でした。すると友人が言いました。
「でもさ、多分だけど歓迎してくれてんじゃね?」
私も「だよな」とだけ言いました。
その後は特に何も起きませんでしたが今でも友人とはたまにその話になります。
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