私は、結婚してから旦那の実家に同居しているのですが、そのお家というのが、藁ぶき屋根の古民家をリフォームしているので、趣はあるのですが、今でも少し住んでいて怖い時があります。
仏壇には先祖代々の方のお写真がずらりと並んでおり、圧倒されてしまいます。
まだ子どもが2歳の頃でした。
晩御飯の支度をしていると、テレビを見ていた娘が突然泣き出したのです。
言葉はまだ話せなかったので、何で泣いているのかわかりませんでした。
そのうち、窓の方を指差し、泣き始めました。窓には、泣いている娘と私の姿が映っているだけでした。娘がようやく泣き止んだので、中断していた晩御飯に取り掛かりました。
少しすると、また娘が窓を指差し泣き始めたのです。
狂ったように泣いているので、私はまた手を止めて、娘の方に向かいました。
窓を見ると、私と娘以外にもう一人、誰かが映っているのです。
着物を着て後ろに髪をまとめている白髪の背の高いおばあちゃんでした。
どこかで見たことがあるな、と思いながら、かなりびっくりはしましたが、不思議と怖さはありませんでした。
私は固まっていました。目が合って3秒位だったか、そのおばあちゃんは、にっこり笑って、確かに手で「good」と親指を立てるうポーズをしてすーっと消えていきました。
私は目をこすって何度も窓を確認しましたが、おばあちゃんはそれから現れませんでした。消えてから少し冷静になり、あのおばあちゃんは、旦那のおばあちゃんだ、と思い出しました。仏壇に飾られた、おばあちゃんの顔写真にそっくりでした。
晩御飯時に、みんなに、窓におばあちゃんが映った話をしました。
みんなはびっくりして話を聞いていましたが、お義父さんが、
「ここ1か月、ねずみが仏壇を荒らしていて、ネズミ捕りを設置しているんだけど、全然かからなくて、今朝から新しいネズミ捕り買ってきて設置したから、もしかして、ネズミがかかったよって、ばあちゃんのお知らせだったんじゃないか?グッドのポーズはそういうことだべ。」と言い、仏壇に慌てて確認しに行ったのです。そしたらなんと仏壇の方から、
「ねずみかかってる。やっぱりばあちゃんが教えてくれたんだべしたー-。」とお義父さんの声が興奮気味に聞こえてきました。
霊感など全くない私が、おばあちゃんを見たのは、お義父さんが言うように、ネズミがやっとネズミ捕りにかかったことをおばあちゃんが私達家族に、お知らせしたかったからなのかもしれません。
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