【映画紹介】風と共に去りぬ ー 170年前の強めギャルの壮絶人生

この映画との出会い

昨年、私は約3ヶ月間のアメリカ旅行に行き、その最後の1ヶ月をジョージア州アトランタで過ごした。

アトランタのストリート文化を見にいくための滞在だったので、まずその土地の歴史から調べることにした。そこで、アトランタが舞台の映画を調べたところ、出てきたのが1939年に製作された「風と共に去りぬ」だった。

この映画は名作映画と言われており、私ももちろん題名くらいは知っていた。
しかしどんな映画なのかは、全く知らなかった。

早速配信サイトを探してみると、アマゾンプライムでレンタルができたのだが、視聴時間が、なんと約4時間・・・

よよよよよよよよ4時間!!?

そう、この映画は前編と後編に分けられるほど、超長い映画だったのだ。

おそらく今の現代人が、一番見ているだろうYouTubeなどの動画の長さは、長くても10〜15分である。TikTokなんかは数秒で終わってしまう。
そんな短い動画に慣れてしまった私たち現代人が、4時間もの映画を集中して見られるのか・・?

私は正直自信がなかった。
いくら名作とはいえ、まだどんな映画かもわかっていない大昔の映画に、4時間も費やすことが、私にできるのか・・・

そんな情けない葛藤がありつつも、これを見ることでアトランタのことが少しでも知れるならと自分を説得し、再生ボタンを押した。

 

それから4時間後。

私の気持ちは高揚していた。

こ、この映画・・・おもろ!!!!!

なんと、私は休憩も入れず一気に4時間の映画を見終えてしまった
時間の長さなど感じる間も無く、映画の世界に引き込まれていた。

確かに名作と呼ばざるを得ない、素晴らしい映画だった。

「風と共に去りぬ」ってどんな映画なの?

概要

この映画は小説が原作になっており、原作者はアトランタ出身の小説家マーガレット・ミッチェル。彼女は幼少期、南北戦争を生き延びた母親から戦争の話を聞かされて育ったそうだ。母から聞いた戦争の話と、自分の人生を重ね合わせて作られたのがこの「風と共に去りぬ」だった。

本の出版から1年後に150万部を売り上げ、29ヶ国語に翻訳された大ベストセラー小説となった。出版の翌日には映画化の話が進んでおり、その3年後、この長編大作映画が完成する。

あらすじ

アメリカ南部、タラにある大農園の娘、スカーレット・オハラは、とても美しい容姿を持ち、彼女に惹かれない男性はいないほど引く手あまただった。

しかし、彼女は恋心を寄せる幼馴染がいた。そしてその幼馴染に婚約者が現れたことを知り、彼女は取り乱す。
そんな中、あるパーティーに現れた失礼極まりない男、レット・バトラーと最悪の出会いをする。

ここまでは少女漫画の序章のような話だが、ここから彼らに「南北戦争」という少女漫画ではありえない試練が襲いかかる。

戦争によって、オハラや彼女を取り巻く人物たちの環境は大きく変わっていく。
その中で、彼女らは何を体験し、いかに生きていくのか。壮絶で壮大なストーリーが繰り広げられていく。

170年前の強めギャル!?スカーレット・オハラ

この映画の見所は、なんと言っても主人公であるスカーレット・オハラだ。

スカーレット・オハラを演じた女優ヴィヴィアン・リーは、原作を読んで彼女の魅力に取り憑かれ、「この役を演じたい」とエージェントや映画会社に猛プッシュしたという。その熱意が彼女の演技にも非常によく現れている。

スカーレット・オハラの魅力は、どんな状況でも生き抜こうとする強さである。
戦前の優雅なシーンでも彼女の気の強さはしっかり描かれているが、戦争が始まり環境が悪化するのに比例して、どんどん彼女の真の強さが発揮されていく。

正直、「こんなことまでするの!?」というようなことまで、彼女は当然のごとくやってしまう。しかし、どんな状況であっても背筋を伸ばし、美しく気丈に振る舞う彼女の気高さに、人は惹きこまれてしまう。

男女平等が当たり前になり始めた今、女性の強さというものは際立ってはきているが、正直こんなに強い女性は現代にもいない
苦しい環境にも屈せず、自分の信念を貫き生き抜く姿を見て、私はこう思った。

めちゃくちゃ強めギャルやん。

アメリカで言う(いい意味の)BAD BITCHやん。

彼女のすごいところは、今自分が持っているもの全てを駆使し、目の前の困難をいかに乗り越えるかを自分の頭で考え、行動しているところだ。これはなかなかできることではない。

まず、人は自分が持っているものより、持っていないものに意識を向けがちだ。いわゆる「ないものねだり」である。

さらに、あらゆる情報が溢れかえっている今、考える前に検索する行為が当たり前になった。そのため、自分の頭で考えるということが気薄になる。
そして実際に困難が目の前に現れた時、それを乗り越える方法が皆分からなくなっているように思う。

そんな時代だからこそ、170年前の強めギャル、スカーレット・オハラを見習うべきではないだろうか。彼女ほど強く生きることは、正直なかなか難しいかもしれないが、彼女から学べることは多くある。

私はこの映画を見てから、困難や問題に直面した時、

大丈夫、私はスカーレット・オハラだ!

彼女なら、こんな時どうするだろう・・・?

と彼女になりきるようにしている。これはかなりおすすめだ。

まずは、スカーレット・オハラになりきること。
そして、今自分にあるものは何かを考え、それを使って何ができるかを、自分の頭で考えてみることが、非常に大事なのではないだろうか。

ライバルギャルの存在

主人公のスカーレット・オハラの魅力が際立つこの映画だが、彼女を取り巻く登場人物も非常に魅力的である。

スカーレットの恋敵でもある、幼馴染の婚約者メラニー・ハミルトンは、スカーレットとはまた違った強さをもつ女性だ。
天使のように優しく真っ直ぐな彼女は、誰もが本来はこうありたいと願う姿かもしれない。

過酷な状況の中で、スカーレットとメラニーの関係が、ただの恋敵ではなくなっていく様子が、とても繊細に描かれており、それも見所のひとつだ。

最後に

アトランタの歴史を追うはずが、キャラクターに見入り過ぎて思わぬ方向に熱を注いでしまった・・・

しかし、戦争の最前線で男性が戦う中で、強く生きる女性たちがいたこと、そしてその強く美しい心を私たちは忘れてはならない。

彼女たちのギャル精神が現代人に根付くことで、混沌とした世の中が、今より少しは活気のある世界になることを願う。

 

筆者

おおつか えりこ
webライター、webデザイナーとして活動中。
海外中でグラフィティーアートを探している、探検家でもある。
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