DeNAが阪神からFAで獲得した久保康友投手(33)の人的補償はベテランの鶴岡一成捕手(36)で決着した。だがDeNA内には「あれだけはダメ」と阪神への不信感が渦巻いている。

球団幹部は「鶴岡に決まる前に若手投手の名前が何人も関西の新聞をにぎわした。マスコミが予想で書いた部分もあるのだろうけど阪神の場合は名前が出過ぎている」と不信感をあらわにした。

当初は先発ができる若手投手との考えから小杉、小林太、真下らの名前が取りざたされた。「プロテクトリストは球界においてもっとも秘匿されなければならないものの一つ。名前が出れば選手の今後へも影響する。今回、広島や西武から巨人のプロテクト外選手の名前が出たか?」と前出の幹部は憤る。

阪神側も事態を重く見て補償選手発表前の個人名掲載の自粛を求めたが時すでに遅かった。

「リストは墓まで持っていく」と話していた高田GMは「名前が出た選手について否定も肯定もしない」と口をつぐんだ。

抗議については「そんなことするわけないだろ」と否定したが阪神・中村GMの「投手について考えたが現有戦力と比較してそれを上回る選手が見当たらなかった」とのコメントには「何でそんなことを言う必要があるんだ!」と怒りを隠さなかった。

先月16日のリスト到着から年をまたぎ約3週間かかったことも情報漏えいにつながった。「こういうのはすぐに決めないと漏れる」と前出のDeNA幹部。トラへの怒りは収まりそうにない。