不思議な出来事と言うよりも人間の思いの力や医学では思いも及ばない出来事があるのだと言うのをまざまざと見せつけられた出来事です。
私の家内は7年前にステージ4の肺がんを宣告されました。
実際に宣告された時は余命3ヶ月程度ではないかと考えられていましたが、
実際、今、クオリティーオブライフを維持しながら、誰が見ても普通の生活を送っています。
ここに至るまでの本当に人間の力、不思議な出来事をお伝えしていきたいと思います。
あくまでもこれは私が客観的に彼女を見てきた事実であり、全てがノンフィクションです。
私の家内ががんを宣告された時、大きな病院でレントゲンを撮り驚いたのは左の肺に6センチの腫瘍、腰や背骨にも腫瘍があり、外科手術はできないとの診断でした。
もちろんのことながら抗がん剤や顔だけをアタックする薬でなんとかしましょうと言う話でしたが、うすうす余命宣告をされていたことも今では覚えています。
もちろん、その時は家内も死を意識し、翌日には、私自身単身赴任でしたが上司と相談しすぐに自宅に戻れるように異動をお願いできました。
幸いなことに私も家内も両親が元気だったので闘病生活、さらに2人の娘の面倒を見てください、そして一緒に戦ってくださいと言うお願いをしに行きました。
後にも先にも家内が涙を見せたのはお互いの両親の挨拶の時だけでした。
7年間1度も涙を見せたことないのは本当に彼女のつよい姿だと思います。
そしてこのようなつよい思いがあった頃こそ、肺がんが進行しなかったのではないかと言うこの不思議な出来事の結論に私は至っています。
さて、闘病生活を始めるにあたり、家内は基本的な療養以外はしないと言う方針でした。
もちろん様々な温熱療法、東洋医学といった手法もありましたがここには全く興味を示しません。
基本的な療法で自分自身は戦っていくと言うのがポリシーでした。
そして、彼女が素晴らしい生命力を保つことができたのは2人の娘の成長だと私は確信しています。
まずは長女が高校に入学するまで、次女が中学受験を終えるまで、などと少しずつ目標を掲げて肺がんとの闘病生活を始めることにしました。
実際に、最初に利用した薬は分子標的薬でがん細胞以外をアタックしないと言うメリットがある一方で、どうしても肌荒れや下痢がひどいと言うこともあり、彼女自身、女性として失いたくない毛髪には影響はなかったもののかなり生活は辛かったと思います。
しかしながらこの薬のおかげでがん細胞が広がることなく、むしろ左肺のがん細胞は少し小さくなった位です。
しかしながら、がん細胞に抗体ができて、新たな薬をチャレンジするにあたっては彼女もかなり苦労をしました。
次の薬にお世話になったのは2年後のことです。これだけでも充分に不思議な出来事であり、彼女の生命力、意思の強さを感じた次第です。
そこからまた3年経った時に新たな薬を試すことになるわけですが、彼女自身のモチベーションを上げるために、念願の分譲マンションを購入しました。
彼女としてはマンションの新居の準備をすること、そして娘たちの将来の準備を整えることがモチベーションになり、3つ目の薬に移行するにあたっても問題なく進めることができました。
そして、今年7年目になりますが長女はすでに大学に進むことを止め、念願のバレリーナになりました。
これを後押ししたのもかなりの力です。
周囲は大学に行かずにプロのバレリーナになることを反対しましたが、家内だけは長女の夢を支えていました。
さらに、次女は家内の癌治すような研究をしたいと言うことで一生懸命勉強し、医学部は無理でしたが生命科学の分野で大学で研究をしたいと言う思いを叶え大学に入学しました。
正直なところ、ここで家内の少しずつ目標を設けて闘病生活を続けると言う大きな目標がクリアされてしまったのも実態です。
これで彼女が生きる力を失ってしまうと困ると思いましたが、アクティブな彼女は次の目標を孫を見ることと定め、娘たちが本当に成人して頑張っていけるような教育、後押しを今でも施しています。
もちろん、娘たちは家内が元に負けてこの世を去ることなど微塵も感じていないと思います。
そして周囲の方々も家内の病気を知っていると言う形であってもついつい忘れる位の元気さに私自身驚いています。
これから、家内と娘たちがどのような人生を送っていくのか、そして私自身が家内と老後を送ることができるのかは誰にもわかりません。
しかしながら、病院の先生も驚くような彼女の意思の強さ、不思議な力があれば全てを乗り越えられるような気がするのは私だけでしょうか。
人間には予想もできないような不思議な力があります。
私自身、家内の7年間の人生を見ているとまさしくそれを感じる次第です。
様々なストーリーがありますが、現実は小説よりも奇なりと言う言葉は正しく家内のためにあるのではないでしょうか。もちろん良い意味での表現です。
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