危険なことは何かといわれれば、いろんな想像が掻き立てられると思います。
私も、自分の命が失われるようなこととなると、交通事故や事件に巻き込まれるといったイメージを持っていました。
しかし、人間の命が失われる瞬間って、もしかしたら本当に身近に潜んでいるんじゃないかって思う経験をしたんです。
それが起こったのは、家から車で5分くらいにある小さな海水浴場でした。
小さいころから家族や友人たちと行き慣れた海。
どこに危険が潜んでいるかはわかっているつもりでした。
その日は風もなく、まだクラゲが出てくるには早い時期だったのですが、友人の子どもも一緒だったため浅瀬で遊ぶことにしました。
そんな中では大きな事故は起こらないだろうという油断があったことは確かです。
しかし、もう少しで命を落とすような事故になるとは夢にも思っていませんでした。
海に入ってから30分ほど経った頃、子どもたちも飽きてきて、水内際で遊んでいました。
大人はそれぞれが浮き輪で海に浮かびながらのんびりと過ごしていました。
そんなとき、私の足に海藻が絡んできたので、それを取ろうと体を起こした時でした。
バランスを崩した私は浮き輪ごとひっくり返り、海に体がすべて入った状態になってしまいました。
とはいえ、これまでにも浮き輪がひっくり返ることはあったので、そんなに焦ることなく元に戻ろうとしました。
しかし、身体を動かそうにもなぜか動かないのです。
理由は単純で、浮き輪にお尻がしっかりとはまってしまい、そのままひっくり返ったので何ともならない状態になってしまったのです。
身体が動かないということに気づいたときに、初めて焦りました。
しかも、助けを求めようにも声は出せないし、じたばたしても手足は海の中なので周りからは見えず。
このままだと息が持たなくなる…と思ったときに、急に海の中に体が沈んでいきました。
沈んでいく中で「あ、これが死ぬということか…」と思ったとき、今度は急に誰かに体を起こされました。
いきなりのことに何が起きたのかわからず、苦しいはずなのに息をすることを忘れていました。
と、同時に周りから大きな笑い声が聞こえてきました。
隣には友人が立っていて、浮き輪を投げつけてきました。
話を聞くと、急に消えたようにいなくなり、浮き輪だけが浮かんでいたので不思議に思って近づいたら、お尻がはまった状態の私が沈んでいたと大笑い。
とにかく、助かったので笑い話で済んだことでしたが、あのときに友人が近寄ってきてくれなかったら、笑えないことだったのではないかと思います。
何気ない日常、特に危険が見当たらないところにも、命を落とすことは潜んでいるのだと感じた出来事でした。
この記事はランサーズにて今までの人生で死にかけたエピソードで募集しました
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