【不思議体験】何かを訴える猫

その頃私は早朝喫茶店で働いていました。

その日も5時半頃家を出て、自転車でいつもの道を入って通勤していました。
通勤時間自体は20分ほど。半分くらいまで行ったところで大きな団地があります。

道路沿いの歩道には植え込みやベンチがあり、小さい公園なんかもあります。そこのお花を眺めるのも、朝の楽しみの一つでした。

と、突然、その植え込みのかげから猫が飛び出してきたのです!

車道は4車線になっているので、あ、危ない!と思ったのですが、なんとその猫は私の自転車の前で止まったのです。

それはまるで、101回目のプロポーズの、あのシーンのようで・・(令和の時代に言ってもわかるのだろうか。わかる人だけでいいです)

そして、その猫は私の顔をじっと、本当にじーっとみて、次の瞬間私の足に飛びついてきました。

私は幸い猫が好きなので、わー、かわいい!懐っこい猫だな、と思ったのですが、なんだか様子がおかしいのです。

甘えてくる、とか、撫でてほしい、という感じではないのです。
何かを訴えてくる、と言った方がいいのでしょうか。

気が付くと私のお腹の辺りまで登ってきています。

私は歩道の真ん中にいたため、一旦自転車ごと歩道のはじに移動しました。
しかしやっぱり猫も一緒についてくるのです。そして、あっという間にわたしのお腹に登り、私の胸に前足を乗せて、私の目をじっと覗き込んできます。

いい子だねー、と言ってみましたが、全く意味をなしません。猫もそんなこと言って欲しいわけじゃないよ。と言わんばかりに私のことをトントン叩きます。

私は、もしやこの猫は、前世で生き別れた、何かなのでは?と感じるようになりました。

しかし、私はそういうスピリチュアルな感覚は全く持ち合わせていません。

そして、何より私は出勤中だったので、猫を引きづり下ろして、ごめんね、またね、と自転車に乗ろうとするのですが、また自転車の前に立ちはだかり、私が自転車を止めると私に登ってくる。を何度も繰り返します。

私は、確信しました。何か伝えたいことがあるんだ。

しかし。私は、猫語もわからない。というかこの猫、にゃーとか言わない。前世もわからない。
このままだと遅刻してしまう。お店に連絡?というか、なんて連絡?信じてもらえないだろうな。

本当にごめんね、私は行かなきゃいけないんだ、わからなくてごめんね、そういって、強行突破し、猛烈に自転車を漕いで、その場を離れました。

猫は途中までは追いかけてきていましたが、諦めたようでした。

あれは一体なんだったのでしょうか。

今もその道を通ると思い出します。



この記事はランサーズにて今までの人生で起きた不思議体験のエピソードで募集しました。

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