【不思議体験】瞬間移動するおじさん

普段何気なく過ごしているとよく「こんな人がいるんだな~」と感じる場面に遭遇します。

私が以前住んでいた町で歩いていたり、車で出かけているとたまに見かける男性の方がいました。

その方は通学・通勤ラッシュ時によく交通誘導をしていて、通りすがる人にはあまり声をかけている様子はなく、ただ黙々とされているようでした。
私は最初「警備員さんか町のパトロールの方なのかな?」と思っていました。朝の光景としてはごく自然なことであまり気にしていませんでした。

またある時、街を歩いていると。
自動販売機のそばにその方がいたのです。
歩きながらよく見ると、どうやら自動販売機の掃除をしているようでした。
せっせとタオル?ティッシュ?のようなもので、こすって汚れを拭いていました。
「業者の方なのかな?」その時の私は思いました。

いろんなことを掛け持ちでやられているのかなと、すごく関心させられたのですが、また別のところでも見かけたのです。

そこは、ショッピングセンターのトイレでした。
私がトイレに入ると、その方が。
今度は、トイレの掃除をされていました。

一生懸命に掃除されている姿を少し横目で感じながら、
「あの人…だよな?」と心の中で自問自答をし、用を足したあと掃除の邪魔にならないようにトイレからそそくさと出ていきました。

お仕事でされているのか、ボランティアでされているのかは分かりませんが、本当によく見かけるのです。

よく見かけるあまり、その方がいても私自身もうあまり気に留めなくなっていました。

ところがある時、目を疑う光景を目の当たりにしたのです。
いつものように通勤で車を走らせていると、普段と変わらずその方は交通誘導をしていました。
頻繁に見る姿、光景、変わらない立ち位置なのでちらっと視界に入ってもすぐにその方だと分かるぐらいです。髭を生やし、いつもと同じキャップに身なりも特徴的で間違いなくその方。

横断歩道で歩行者が渡りきるのを待ち、「今日もいるな~」と思いながら、しばらく車を走らせ時間が経ち、コンビニエンスストアに立ち寄りました。

ふとトイレを見ました。

その方がトイレの洗面台を掃除していたのです。
私は「えっ、まさか!?」と驚き、困惑しました。

さっきの交通誘導していた場所から車で30分ぐらい離れているのに、途中まったく信号にも引っかかって止まることもなくこのコンビニエンスストアに入ったのに。

自転車を必死に漕いでも車に敵うはずはありません。
「もしかして車を運転されているのか?」とも思ったのですが、普段見かけるときは自転車の姿しか見たことがないのです。
ましてや私が車を走らせながらまだ交通誘導していた姿を見ていて、コンビニエンスストアまでまったく止まることなく来たのに。

しかもここまでは、山道を抜けた一本しか道がない、そんな場所にあるコンビニエンスストア。近道も抜け道もないのです。

私は思いました。「瞬間移動」だと。

見間違いでなく、明らかにその方で、困惑のあまり「双子?」「2人いる?」といろんなことを考えていました。

しかし、どんなに考えても納得のいく答えにはたどり着けず。

あの方は今でもあの町でご活躍されているのかな、とたまに思い出す私の不思議体験です。



この記事はランサーズにて今までの人生で起きた不思議体験のエピソードで募集しました。

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